中小企業診断士の難易度

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中小企業診断士の難易度は、税理士や司法書士よりも簡単で、社会保険労務士や行政書士と同じくらい。...と言われたりしてますが、少々曖昧ですよね。

 

中小企業診断協会から公表されている統計情報の合格率や、合格までに必要な勉強時間など、様々な側面から中小企業診断士の難易度がお伝えしていきます。

 

【筆者】 やす(中小企業診断士)
40歳を過ぎてから受験し、なんとか合格!自身の受験経験、合格後の体験を書きまとめてます。


中小企業診断士試験の合格率

中小企業診断士試験は何名受験して、何名合格しているかご存知でしょうか?

 

一般社団法人中小企業診断協会で公表されている中小企業診断士試験の合格率は以下の通りです。

 

1次試験の合格率
年度 1次受験者数 1次合格者数 1次試験合格率
2016年 13,605名 2,404名 17.7%
2017年 14,343名 3,106名 21.7%
2018年 13,773名 3,236名 23.5%
2019年 17,386名 4,444名 30.2%
2020年 13,622名 5,005名 42.5%
2021年 18,662名 5,839名 36.4%

 

2次試験の合格率
年度 2次受験者数 2次合格者数 2次試験合格率
2016年 4,394名 842名 19.2%
2017年 4,279名 830名 19.4%
2018年 4,812名 906名 18.8%
2019年 5,966名 1,088名 18.3%
2020年 6,400名 1,174名 18.4%

 

毎年約1万5千人が中小企業診断士1次試験を受験し、20%前後が合格しています。そして、1次試験の合格者約4,500人が2次試験を受験し、20%弱が合格しています。
単純計算すると、20% × 20% = 4 %です。

 

1次・2次試験の両方をストレートで合格する方は4%未満になりますので、難易度は非常に高いといえると思います。

 

近年は、受験者が増加すると共に、1次試験の合格率が30%を超えているので、難易度が少し変わってきています。

 

ただし、中小企業診断士の1次試験には科目制度があり(3年間有効)、1次試験に合格すると、その年と翌年に2次試験を受験できます。

 

したがって、真面目に2年~3年間、試験勉強し続けることができるのであれば合格できるレベルです。

 

合格までの必要勉強時間

私は中小企業診断士試験に合格するまでに2年かかっていますので、約1,400時間くらい費やしました。

 

平日2時間、土日休日5時間...これを11ケ月間続けると約900時間になりました。2年目は2次試験対策のみだったので、勉強時間も半分くらいになりました。

 

私の勉強時間が標準的かどうかわかりませんが、ネットで調べてみると似たり寄ったりの目安時間がでてきます。

 

人それぞれなので一概には言えませんが、1,000時間程度が目安となり、そのうち約1/4程度はTACの講義となります。

講義時間以外については、まとまった時間をとるというより、毎日(たとえば早朝や隙間時間、帰宅後)少しの時間でも学習時間を取るようにしてください。効果を上げるためには、継続的に学習するということが重要です。

引用元:中小企業診断士Q&A

中小企業診断士の必要勉強時間量は平均約1,200時間と言われていますが、平均するとだいたいこのくらいに落ち着くと思います。

引用元:中小企業診断士の難易度

試験合格に必要な勉強時間は1,000時間~1,500時間といわれています。

引用元:中小企業診断士の独学合格

 

法学部出身で法律知識があったり、簿記2級など会計に関する知識を持っている方など、ベースとなる知識があるかないかで、合格までの必要勉強時間は変わってくるでしょう。

 

私のように法学部出身でもなく、資格勉強の経験がないド素人は、やはり1,000時間程度は覚悟しておいた方がよいと思います。

 

科目別の難易度

 

試験科目 難易度 勉強時間(目安)
経済学・経済政策 約170時間
財務・会計 約220時間
企業経営理論 約180時間
運営管理 約130時間
経営法務 約150時間
経営情報システム 約90時間
中小企業経営・政策 約60時間

 

1次試験は基礎知識を問う問題が出題されるため、基本的に暗記が中心となります。

 

ただし、財務会計、経済学については理解していなければ解けない問題が多いため、とくにかく暗記したらよいものではありません。

 

運営管理の計算問題や、企業経営理論の難解な問題も理解していないと解けない問題が出題されます。

 

 

他の資格と比較した難易度

中小企業診断士の各科目の難易度は年度によって異なりますが、他の資格と対応させると以下のようになります。

 

試験科目 対応する他の資格
財務・会計 日商簿記2級・3級、ビジネス会計検定2級・3級
運営管理 販売士検定(リテール・マーケティング)3級
経営法務 ビジネス実務法務検定2級・3級
経営情報システム ITパスポート

 

※科目免除には使えないので、その点ご注意ください。

 

他の資格を取ってから中小企業診断士試験に挑む受験生もいますが、それは流石に遠回りなのであまりおすすめしません。

 

ただし、中小企業診断士試験の難所は財務・会計にあると思います。

 

1次試験では日商簿記3級程度の問題が中心ですが、2次試験の事例4においては日商簿記2級で学ぶような知識が必要になります。

 

事例4の出題傾向が変わりつつある状況を踏まえると、日商簿記2級レベルの知識は身につけておく方がよいのかもしれません。

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